悲しい別れ

2004年1月6日 お仕事
正月早々に、会社の上司が癌のため亡くなった。まだ60代という若さだった。
3日に、旭川の祖母の家に行く途中、コンビニで飲み物とおやつを調達していたら、直属の上司から電話が来て亡くなった事を知らされた。
会社の仕事納めの時には、誰もそんなこと一言も言ってなかったのに…。
その日は忙しくて弔問に行けなかったので、次の日の朝準備ができ次第行って来た。棺に入ってしまう前に、どうしても顔が見たくて。
奥さんに話を聞くと、苦しんだのは最後の5日間だと言っていた。モルヒネも効かなくなって、痛みで衝動的に行動してしまったりもしていたそうだ。苦しんだだろうね、痛かっただろうね・・・もう楽になっていいんだよ、お疲れ様、って遺体に声をかけた。遺体と対面して、やっと亡くなった事を少し実感できた。
昨年の11月に病院に入る前、一時帰宅していたときに会社に来て、出なくなった声で話しかけられた。「お前の舅爺さんは元気か。何歳になった?」と。夫の父とは、昔ともに仕事で苦労を分かち合ってきた仲であるから、気になったのかもしれない。思えばあれが最後の会話だったんだなぁ・・・って。
その人との思い出というと、いつも内線電話で怒られたり注意されたりアドバイスされたりしていたなーって記憶が多かったが、息子のことを気にかけて誰かに聞いて欲しくて、私たちに話してくれたり、現場事務所でテレビを見ながら話しかけてきたり時には何か食べさせてくれたり、怖いイメージが強い人だったが心の中は人間味のある温かい上司だったと思う。
出棺のときには、生きているときに面と向かって言えなかった言葉をかけた。
「お世話になりました。今までありがとう。」
遺体は、その前日に見たときよりも、荼毘に付される直前にはとても時間が経っているような気がした。
もう会えないんだな。ついにこのときが来てしまったんだな。
そのとき初めてそう実感した。

亡くなった上司のご冥福を心より祈ってやみません。

合掌

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